村井宮城県知事へ令和5年度当初予算に関する要望書提出
2022.12.19
自由民主党・県民会議外崎会長はじめ役員一同にて、令和5年度当初予算に関する要望をとりまとめ、各施策の推進を迅速に講じられるよう要望致しました。
政策要望は、昨年に引き続きでありますが政務調査会が担当です。
会派政策要望は、下記のとおり、15分野85項目です。
【1】効率的・弾力的な予算執行
会計年度末における予算の集中的な消化となることのないよう、計画的な予算執行と
真に必要な支出に充てられるよう効率的・弾力的な予算執行を図ること。
【2】コロナ対策関連
(1) 国、県、市町村における多岐にわたるコロナ対策を一元化し、県民、特に陽性と診断された方や感染が疑われる方などの目線にたった分かりやすい広報・周知の徹底を図ること。
(2) 飲食店等における食材王国みやぎの農林水産物の購入支援と需要喚起支援を図るとともに、インターネット販売支援を図ること。
(3) 医療機関や高齢者・介護・障害福祉施設・私立学校等における抗原検査キットの継続的な配布と衛生用品購入への補助、換気設備等への補助など継続的な支援を図ること。
(4) 「和牛肉保管在庫支援緊急対策事業」については、畜産農家経営の安定化を図るため、令和5年度以降も引き続き当該事業を継続し、加えて、食肉処理施設の再編整備等に対する支援等も継続拡充すること。
(5) コロナ感染された方への後遺症の対応の強化を図ること。
【3】原油価格高騰対策関連
(1)タクシーやバスなど、地域の交通を支える事業に対して、原油価格の高騰が大きな打撃となっている。地方の足を維持するため、車両の燃料費に対して継続的な支援をすること。
(2)私立学校(幼稚園を含む)が園児や児童生徒の通学等のために使用する車両の燃料費に対して継続的な支援をすること。
(3)交通事業者に対してカーボンニュートラル実現に向けた支援として、天然ガス・ハイブリット・水素等の導入に係る補助を図ること。
【4】脱炭素社会と産業振興関連
(1)脱炭素社会の現実に向け、温室効果ガスの排出を抑制する取組を推進するほか、地域と共生した再生可能エネルギーの導入の促進を図ること。
(2)自家消費型太陽光発電やスマートエネルギー住宅への補助制度の拡充、燃料電池自動車(FCV)の導入支援等による水素の利活用促進、再生可能エネルギーの地産地消や利用拡大を図ること。
(3)カーボンニュートラルポート形成計画の策定の促進を図ること。
(4) G7科学技術大臣会合を契機とした「次世代放射光施設(ナノテラス)」の産業利活用を図ること。
(5) (仮称)栗原インターチェンジの整備促進を図ること。
(6)仙台塩釜港(仙台港区)の機能強化及びコンテナターミナルの拡張整備等の促進を図ること。
【5】防災・国土強靭化関連
(1)令和5年度当初予算における公共事業(通常)費の増額をはじめ「国土強靭化に向けた5カ年加速化対策」や今後の維持管理費における別枠での予算確保と未来への投資となる社会インフラの安定的・継続的な予算確保とともに大幅に落ち込んでいる宮城県内事業量の確保を図ること。
(2)被災地域の建設業界の安定化と工事施工の円滑化を図るため、現場実態に即した積算体系や直近のスライド条項を反映し、適正な工事費の確保を図ること。
(3)氾濫・決壊した河川については、国に対して万全の整備を求め、近年、大規模な水害が頻発するなかで、現状復旧に留まらない徹底的な改良復旧や流域治水対策を図ること。
(4)自然災害における対応として民間企業との防災協定締結の一層の推進と防災拠点や避難施設等の整備促進を図ること。
(5)地震・水災保険に加入した県民に対する補助金を支給する制度に対し、補助金の増額と申請制度の簡素化を図ること。
(6)原子力災害避難計画について、避難道路や関係自治体が行う防災資機材整備促進を図ること。
(7)川内沢ダム整備事業及び松川火山砂防事業の整備促進を図ること。
【6】少子化対策関連
(1)本県の合計特殊出生率1.15を上げるための取組として、大卒者や女性に就職で県内に定着してもらう施策強化や、安定した収入が得られる質の高い雇用の創出を図ること。
(2) 少子化対策は長期的かつ総合的に取組必要があることから、安定的な財源確保が重要なことから、次世代育成・応援基金を積み増しすること。
【7】子供・子育て等関連
(1)障害児保育の対象とならない支援の必要な児童が増加していることから、保育士・幼稚園教諭等を加配した場合の財政的支援措置の拡充すること。
(2)児童虐待における市町村と児童相談所の役割分担の考え方や事業等を適切に振り分ける仕組みの構築すること。
(3)通園バスへの「置き去り防止装置」の導入については、障害児通所施設や特別支援学校等への対象の拡大やその費用については公費負担を行うこと。
(4)私立高等学校・中学校・小学校・幼稚園等における経営補助金の拡充を図ること。
(5)待機児童解消施策においては、待機児童がいない自治体も増えていることから、施設・人材・ノウハウなどの高い潜在能力を持つ私立幼稚園の十分な活用を図ること。
(6)幼児教育の質の確保のため、保育所、認定こども園、私立幼稚園等における人材確保育成等への支援と所得向上に向けた処遇改善事業の推進を図ること。
(7)ひとり親家庭への支援や子供の貧困への総合的な対策を強化すること。
【8】女性活躍社会関連
(1) 女性活躍推進に向け、農林水産業、経済界なども含めた女性管理職増加に向けた人材育成、県の審議会等への女性委員の積極的な登用を図ること。
(2) 若年女性の県内定着率の増加も視野にいれ、経済的自立を支援するために起業を希望する女性に対しての資金援助、無利子融資などの柔軟な政策展開を図ること。
(3) 子育て支援の地域間格差については、働く若い女性などに、地域において細やかな意見聴取などを行い、宮城に生きる女性の現状を把握すること。
【9】医療・介護・福祉関連
(1)4病院における統合等は、住民に直結する問題であることから、関係する市町村や病院関係者を含めた丁寧な協議と、県民に対しては積極的な情報開示と丁寧な説明の実施を求める。
(2)特別養護老人ホーム等の大規模改修への補助金の創設や介護現場へのICT導入における補助金の拡充を図ること。
(3)県民の健康寿命延伸に向け、介護予防や健康づくり支援の推進を図ること。
(4)新たに設けられた重度障害者等就労支援特別事業の宮城県、各市町村における実施を図ること。
(5)障害者の働く意欲を就労に結びつける福祉的就労施策の推進や障害者就労施設の工賃水準引き上げなどの取組の強化を図ること。
(6)看護師、介護士等の職業職種の所得向上に向けた処遇改善事業の推進を図ること。
【10】農林水産業関連
(1)高度環境制御技術を導入した先進的施設園芸や、大規模露地園芸の拡大など施設園芸の振興により、園芸産出額を拡大すること。
(2)水田・畑作対策
① 転作作物(園芸・子実用トウモロコシを含む飼料作物等)を普及推進するため、保管・貯蔵・調整施設建設及び導入機械(コンバイン等)への補助を実施すること。
② 米粉用米普及にかかる、製粉業者や流通業者に対しての補助を実施すること(小麦から米粉への切り替え及び安定化)。
③ 環境に配慮した農業を目指すため、土壌診断・堆肥等切替時の補償等を行なうこと(みどりの食料システム戦略への対応)。
(3)生産資材等の高騰対策
燃油・肥料・飼料等の高騰が深刻化・中長期化する恐れがある中、農業経営及び土地改良事業等の経営安定が持続的に図れるよう、既存の対策拡充を含め十分な影響緩和策を講じ、情勢に応じた支援を継続・拡充すること。
(4)新規就農者等への支援
県内への新規就農者や多様な経営体(中小・家族経営等を含む)に対する移住支援や長期的サポート等、県内への定着支援を図ること。
(5)県内農畜産物に対する理解醸成及び適切な価格形成の実現
輸出牛肉についての加工施設を本県に設置すること。
(6)畜産・酪農対策
① 耕畜連携の強化による資源循環や土づくり、化学肥料の削減等を協力に推進するため、耕種農家の肥料利用の促進や堆肥等の広域的な流通に対する支援を抜本的に拡充すること。
② 輸入依存度の高い小麦、大豆、飼料用トウモロコシなどの県内増産を図るため、輪作体系への導入や生産拡大等に対する支援を実施すること。
③ 老朽化した家畜排せつ物処理施設・機械の整備や、放牧やキャトルセンター、コントラクターなどの県・市町村等による公共共同利用施設の設置を推進すること。
④ 乳製品に対する需要拡大の取り組みを行い、県に乳製品の貯蔵施設等を設置すること。
(7)有害鳥獣被害対策
家畜伝染病の侵入防止に向け、地域一体となった衛生管理を強化し、野生動物対策等に対する支援を継続・拡充すること。
(8)学校給食への県産農畜産物の使用促進等
学校給食については、米飯以外でも、パンへの県産小麦・米粉使用、及び県産農畜産物の使用を拡大すること。
(9)青果対策
① 施設園芸等燃油価格高騰対策を継続・拡充し十分な予算を確保するとともに、今後の燃油等の価格動向をふまえ機動的な対応を行なうこと。また、施設園芸の省エネ化の一層の推進に向けた支援を拡充すること。
② 野菜・果樹等の生産基盤強化に向け、産地生産基盤パワーアップ事業等について十分な予算確保と強化を行なうとともに、果樹の改植・新植等への支援や産地物流合理化に取り組むための支援を拡充すること。
③ 野菜価格安定制度について、十分な予算を確保するとともに、収入保険との同時利用の恒久化に向けた拡充など総合的なセーフティネット対策を着実に実施すること。
(10)物価高騰を受けて、国内における自給飼料の確保、耕畜連携による地力対策・施肥量の削減などについて、ソフト・ハード両面からしっかりと支援をすること。
(11)畜産物政策価格等の弾力的な設定
畜産・酪農経営の安定を図るため、急激に厳しくなる生産コスト等の動向をふまえ、柔軟かつ万全な資金対策を措置するとともに、畜産物政策価格等を適切に設定すること。特に肉用子牛生産者補給金制度については、子牛価格が低落した場合でも生産者が安心して経営が継続できるよう弾力的な保証基準価格を設定し、また、肉用牛・肉豚肥育経営安定交付金(牛・豚マルキン)の標準的販売価格及び生産費の算定についても同様の措置を講じ安定的な運用に努めること。あわせて、生乳の再生産の確保と牛乳乳製品の安定供給に資する加工原料乳生産者経営安定対策事業(加工原料乳ナラシ)についても同様の運用を行うこと。
(12)家畜防疫・病害虫対策
家畜伝染病の侵入防止に向け、空港・港湾における水際対策を徹底・強化するとともに、行政を含めた地域一体となった衛生管理強化の取り組みの活性化や必要な資材・設備の導入、野生動物対策、種豚等の流通円滑化等に対する支援を継続・拡充すること。
(13)中小造船業及び小型船舶業に対する支援
中小造船業及び小型船舶業に対する電気料金高騰に対する補助金等の支援や原材料等の価格変動に対する激変緩和措置としての弾力的な支援を図ること。
(14)宮城県産種苗の生産を構築並びに購入補助支援を行い、他県産に頼らない宮城県産ブランド種苗の開発を行うこと。
(15)松島湾海域の環境改善対策について
① 近年、夏場の海水温上昇や低酸素化など環境変化が著しく変化しており、年間を通じた環境調査を実施し原因究明をすること。
② 低酸素化防止や稚魚(ハゼやワタリガニ等)の生育場としても重要な役割を果たすアマモやアカモク等の海藻類増殖事業(ブルーカーボン)を実施すること。
③ 東日本大震災以降海底のヘドロ化が進みアマモ等の海藻類が絶滅していることから松島湾内漁場海底清掃を実施すること。
④ 堆積した砂等の影響で潮の流れが変化し淀んだ水が停滞することから外洋水が殆ど流入しない状況になり船舶の航行にも支障をきたしているため、航路確保の浚渫を実施すること。
(16)ALPS処理水の処分については、新たな風評被害を生じる懸念する声が多いことから、水産業全体と捉えた総合的かつ強力な対策と、地域の魅力や宮城県産品の情報発信と消費拡大を通じた需要創出や海外販路の施策強化を図ること。
(17)持続可能な水産業の構築に向け、「サケ・マス」「ギンザケ」「ウニ」「アワビ」等、他県産や海外種苗に頼ることない養殖業の種苗体制の強化を図ること。
(18)新たな木材需要の創出に向け、公共建築物への県産材とCLT等木質建材の利用促進を図ること。
【11】デジタル化関連
(1)税金や各種手続きでオンライン化やキャッシュレス化に伴うDX化の促進を行い、キャッシュレス手続きの促進を図ること。
(2)遠隔臨場など公共工事における受注者間の非接触型現場管理や県庁が事業者・市町村・地方公所向けに開催する複数参加型Web会議の実施を図ること。
(3)中小企業・小規模事業者等へのデジタル化・DXにおける人材確保育成支援や導入経費補助金の継続を図ること。
【12】観光関連
(1) 円安を活かしたインバウンド観光施策や県内農林水産物やその加工品等の輸出拡大の推進を図ること。
(2) 大型クルーズ船が寄港可能な仙台塩釜港の整備を行い、物流の効率化を図るとともに、国内外観光客の誘致を図ること。
【13】教育関連
(1)保護者の教育負担の軽減に向けて、15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合の第二子以降の世帯への高等学校等就学支援金や宮城県私立学校等就学授支援金制度の所得要件を緩和し、多子世帯への教育支援制度を創設すること。
(2)わが県の根本的な学力向上に関して、アドバイザー派遣等の支援を拡充及び充実させ、市町村の学力向上に向けた取組への更なる支援を図ること。
(3) 部活動指導員配置の拡充や中学校部活動の地域移行を円滑に進めるほか、子供達の体力・運動能力の向上に向けた取組を強化すること。
(4)不登校児童生徒への支援体制拡充について、現在評価の高い「学び支援教室」の更なる拡充及びコーディネーター増員等を図ること。
(5)コミュニティ・スクールの導入率は全国平均よりも低いため、学校、地域、家庭の連携・協働による社会総掛かりでの教育実現のため、コミュニティ・スクールの推進体制を支援すること。
(6)小・中・高等学校での福祉教育やボランティア教育の充実を図るとともに、介護施設等での体験学習の強化を図ること。
(7)いじめ、不登校における体制整備の強化を図ること。
【14】スポーツ関連
(1)宮城県営野球場利用について、アマチュア野球団体への施設開放日数を増やすとともに、球場使用料やそのキャンセル料の減額と大会役員(審判含む)駐車場料金の無料化を図ること。
(2)全国レベルで活躍するトップアスリートを採用した県内企業に雇用奨励金や競技活動費などを補助するアスリート就職支援制度の創設を図ること。
【15】警察関連
(1) 各地域において、通学路等の交通安全対策をはじめ信号機の新設や横断歩道の補修、道路標示標識の設置等多くの要望が寄せられているため、予算の増額と整備促進を図ること。
(2) 特殊詐欺撲滅や子供から高齢者にわたる交通安全対策の強化を図ること。
(3) 県民に不安を与える重要凶悪犯罪が多発しているための徹底検挙をはじめ、県民の犯罪被害防止策等を図ること。