11月定例宮城県議会閉会
2022.12.14
本日、電力・物価高騰対策やコロナ対応等の補正予算約401億円の補正予算議案をはじめ予算外議案25件を含め、共産党の反対がありましたが賛成多数で可決し、会派を代表し、私が賛成討論を行いました。
また、今議会は各会派政務調査会の座長として、協議をして合意をした「災害復旧及び国土強靭化の推進に必要な予算の確保を求める意見書」をはじめ2本の意見書を全会一致にて可決いたしました。そして、特別委員会も設置されたところでもあります。
最後になりますが、引き続き、県民皆さまや県内事業者が抱く、長期化するコロナの影響、物価・光熱費高における生活・地方経済に与える影響など、皆さまの声を、宮城を創る力に変え、県政のど真ん中へ届けて参ります。
※長文ですが、私の賛成討論は以下のとおりです。
自由民主党・県民会議を代表し、今定例会に提出されております各号議案及び、発議第2号議案「宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例」について、「賛成」の立場から討論を行います。
初めに、議第179号議案「個人情報の保護に関する法律施行条例」について
この議案は、昨年5月、国において、「個人情報の保護に関する法律」が改正され、令和5年4月1日から、本県にも新しい法律が適用されることから、法律の施行に関し、必要な事項を定め、新しい法律解釈との齟齬をきたすなどで、県民生活に支障がなきよう、定めようとするものであります。
先程の討論からは「行政機関等匿名加工情報の提供がプライバシーを侵害する恐れへの懸念や、これまで各自治体が行ってきた個人情報保護条例による運用に対して、国が一律の取扱いを押し付けるものではないかといった点」が反対の理由のようであります。
しかしながら、ビックデータともなる個人情報の利活用は、民間ビジネスのみならず、行政運営でも様々な分野で欠かせない有益な情報になっており、その情報の取り扱いに懸念を示し、そこで思考を停止するのではなく、いかに安全、且つ、丁寧に有効活用するかを考えることこそが、これからの行政機関に与えられた責任であると考えます。
その上で、まず、行政機関等匿名加工情報の提供については、個人情報保護委員会等の関係機関と連携を図りながら、その取扱い基準などを定めるとともに、情報の匿名化に当たっては、十分なチェック体制のもとに、適切に業務を行うことにより、プライバシーの問題や情報漏洩の懸念を防止できるものであります。
また、今回の法制化が一律の取扱いを押し付けるとの意見に関しては、全国の地方公共団体がそれぞれ条例を定めていた事実はありますが、社会全体のデジタル化が進展する中で、各自治体が独自の制度を持つことによるデータ流通への影響や社会的に要請される保護水準を満たさないケースの発生といった事態も懸念されたことが、共通ルールの設定に至った背景があります。
個人情報は、アナログの文字情報で一部所有者により、保有されるものではなくなり、デジタル化の目覚ましい進展の中、国または状況次第では世界にも利活用が可能なものとして、国益を守る観点からも、全国的な枠組みとして順応させる視点も必要であり、本県もその例外にあるわけでなく、今回の対応は時代の要請として、現実的に必要な対応であると考えます。
なお、本条例案については、パブリックコメントや個人情報保護審査会において意見聴取が行われるなど、提案にあたって所定の手続きも踏まれているものと理解しており、県執行部に対しては、これまでの取扱いが後退したと受け取られることの無いよう、適切な運用を求めつつ、本議案には可決すべきものと考えます。
あわせて、発議第2号議案「宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例」についても、県議会として、これまで条例が未制定であったため、今般の法改正を契機として、「個人情報保護条例制定検討委員会」を設置して、守屋委員長のもと、8回にわたる慎重な議論を重ね、パブリックコメントを実施し、取りまとめたものであります。
なお、先程指摘のあった死者への情報の取扱いに関しては、要綱等により、取扱いを別途に定め、遺族への情報提供や、利用・提供の制限等について適切に対応できるよう検討を行うとのことであり、問題はないと考えます
よって、先程述べた内容と同様の理由により、可決すべきものと考えます。
次に、議第180号議案「核燃料税条例」について
この議案は、現行条例が来年6月に失効することを見据え、新たに条例を制定しようとするものであり、「価額割」を引き下げつつ「出力割」を引き上げることで、全体の税率を全国並みまで引き上げるとともに、廃止措置計画認可後も一定の納税を義務付けようとするものであります。
先程の討論からは、「価額割の規定を設けることは、原発の再稼働を前提としており、原発を推進するものである」ことが反対の理由のようであります。
本税は原子力発電所の設置に必要な防災対策、安全対策等の諸施策展開の財源になっております。本県には女川原子力発電所が立地するという、揺るぎない現実があます。そして稼働中か否かに関わらず、原子力発電所への県民の不安の払拭、安全安心を確保するという行政機関として果たすべき責任があります。その果たすべきための税であることをまず理解いただかなければなりません。
私が申し上げるまでもなく、この税は原子力発電所の「立地」に伴い生じる財政需要に対応することを目的としたものであり、現行の課税期間から徴収している「出力割」などは、まさにその観点に基づくものであります。
再稼働を理由に今回の議案に反対しようとする理論構成は荒唐無稽なものであり、今、立地されている女川原発に対する県としての責任を放棄するものであり、到底許容できるものではありません。
むしろ、今回の議案に反対されるということは、核燃料税を活用して行われてきた避難道路整備をはじめとする各種事業に遅れを生じさせることであり、反対を主張される共産党県議団は、県民にそのようなリスクを押し付けてでも、なお、ご自分の意見が正しいと胸をはって言えるのでしょうか。
あるいは、これに代わる何らかの財源の見通しをお持ちの上で、そのような発言をされているのでしょうか。
「県民の命を守る」と言いながら、それに逆行した結果をもたらしかねないことに、目を向けようとしないその姿勢は、まさに「反対のための反対」であり、その論拠は破綻しております。
なお、税率を引き上げることによる電力会社の負担は、結果として県民の負担につながるのではないかとの主張もありますが、その点については、昨今のエネルギー価格の高騰とあわせ、電力事業が有する高い公共性を踏まえて、東北電力側において総合的に判断するものであると考えます。
よって本議案には、当然可決すべきものと考えます。
次に、議第193号議案「地方独立行政法人宮城県立病院機構が達成すべき業務運営に関する目標を定めること」について
この議案は、地方独立行政法人法第25条の規定に基づくものであり、具体的に定めるべき事項は、「中期目標」の期間や、住民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項など、同条第2項に列挙されているとおりです。
4病院の統合・合築に関する検討や協議が途上であることが反対の理由でありますが、ただいま申し上げたとおり、「中期目標」は「地方独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標」であり、そこに定めるべき事項は法に明記されております。
4病院再編の検討・協議が途上である点はご承知のとおりでありますが、そうであれば、今回の中期目標において、例えば「県立病院の再編協議の進捗に留意する」などの抑制的な表現を用いていることは、共産党県議団の主張とも齟齬はないのではと思うのですがいかがでしょうか。
また今後、どのような形で今回の議論が進むとしても、令和8年度までの目標期間中は、現在の運営形態が継続するものと当然考えられ、その点からも、検討途上であることを理由に反対する姿勢は理解に苦しむものであります。
本議案には粛々と可決をした上で、今後の4病院再編の協議や検討の状況等に関しては、この議場において、しっかりと疑義を正し、意見を述べていくことが議員として当たり前の姿勢と考えますがいかがでしょうか。
また、現在の「中期目標」の期間は令和元年度から今年度までの4年間となっており、そもそも今年度は新たな「中期目標」を定めるべき時期にあります。
しかも、今後の手続きとしては、「中期目標」が議決された後、病院機構において目標達成のための「中期計画」を策定し、これについても議会の議決を経る必要があり、これまでも11月議会に「中期目標」、2月議会に「中期計画」に係る議案が提案されておりました。本議案に反対される共産党県議団は、今後の手続きについて、どのようにお考えなのかも甚だ疑問であり、先々を見据えたご意見をお願いしたいものであります。
三浦団長、本議案反対をして、本当に大丈夫なのでしょうか。今一度、冷静に、先を見据えた判断が必要なのではと考えます。
次に、議第204号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」及び、議第205号議案「特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」について
まず議第204号議案については、若年層を中心とした給料表の引上げ改定や勤勉手当の引上げなど、人事委員会勧告を踏まえた改正内容となっております。
そのうち、55歳を超える職員に対する昇給制度の見直しについて、平等取扱いの原則や職員の士気への影響も懸念されるほか、組合との間で合意を見ていない点が反対の理由とのことでした。
今回の条例改正は、国家公務員には既に同様の取扱いが適用されているほか、全国的にも8割を超える都道府県が国と同様の制度を設けており、本県が導入することにも相当の合理性があると考えます。
また、職員の士気への影響については、今回の見直しは人事委員会勧告に依拠しており、その客観性はしっかりと担保されていると考えます。組合との協議についても、昨年度から長期にわたる交渉を継続した上で提案の判断に至ったものと伺っており、誠実な交渉は尽くされております。むしろ、先の定例会に提案された来年度からの定年引上げと軌を一にして対応することが、円滑な導入に繋がると考えるものであり、本議案は可決すべきものであります。
あわせて、議第205号議案については、先程述べた55歳を超える職員に対する昇給見直しを行う一方で特別職の期末手当を引き上げることへの疑義があるとのことでした。
しかし、特別職の期末手当は、これまでも人事院勧告を踏まえた国の指定職に対する支給割合に準じて改定することとしており、本年の人事院勧告による支給割合のプラス勧告と、県の一般職に対する期末勤勉手当の支給月数の引上げを踏まえ、今回の議案が提案されたものであります。55歳を超える職員に対する昇給見直しとは改正の背景が異なっており、両者を一律に論ずるべきものではなく、本議案についても可決すべきです。
なお、ただ今申し上げた各号議案については、付託された常任委員会でも厳正かつ慎重な審査が行われ、先程、各常任委員長から原案を可決すべきものと決した旨の報告があったことですから、速やかに原案どおり可決することが、まさに議会の責任を果たすことであります。
議員各位の御理解と御賛同をお願い申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。