4病院再編構想
「県民への丁寧な情報提供と
4病院構想の抜本的見直し」
2023.10.18
将来の人口減少に伴う社会構造の変化など、これからの県政運営の大局的な視点から判断し、病院の適正な配置や病床数の適正化等を目的とする再編や統合は議論しなければならいないものであると考えます。
しかし、4病院再編構想については、病床規模・診療科目、統合による運営主体や、宮城県が負担する整備費・運営負担金など、その判断材料を議会においても説明を求めても具体的に示されることが少なく、議論の糸口すらつかめていないのが現状です。
宮城県は基本合意に至る前段階で県民への十分な情報提供と患者や家族、関係住民等からの意見聴取や説明会を丁寧に行うことが必要であり、また、宮城県と仙台市が緊密な情報交換を行い、特に仙台市立病院との連携強化を見据え、精神医療や救急医療、周産期医療体制機能強化が必要であると考えます。
仙台赤十字病院は、日赤西側敷地は土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)等を含み病院再編地域に適さない評価を受けており、そして、平成26年に仙台市立病院が太白区に移ってきてからの、医業収益は、平成29年度から赤字が続き、令和3年度では4億2600万円の赤字(環境福祉委員会資料)です。つまり、現実的な課題として、現地建て替えの課題や経営的と複合的な課題を抱えており、現地での運営に固執しても、結果的に経営が立ちいかなくなってしまえば、県民市民のマイナスでしかありません。また一方の当事者である日本赤十字社(仙台赤十字病院)からも患者や家族、医療関係者への説明が必要であると考えます。
現地視察を行っています県立精神医療センターは老朽化が著しく、医療環境の維持の観点からも切実な課題として受け止めております。
そうした「なぜ県としてこの構想を示す必要があるのか」そのことをしっかりと示すことが議論の始まりであると考えますし、それぞれの立場から賛否両論があっても、構想に対する理解浸透度は情報開示こそが建設的な議論の深まりに繋がると考えます。
しかしながら、名取市への精神科新病院誘致の構想などは、この構想の議論をさらに混迷を極める状況を招いており、会派を代表し、苦言を呈させていただきました。そして、4病院構想の基本合意の内容が全くわからないまま、このたびの誘致などは、県の執行権の範囲とは言え、県議会で是非を、判断をする前に実質的に4病院構想の諸施策を実施することに繋がらないかと危惧をしているところです。
この誘致の公募を実施する前段階においても、まずは精神医療審議会のご意見や仙台市や名取市、県南地域との意見聴取・意見交換を行い、そして何よりも患者や家族、医療従事者への丁寧な説明が必要であると考えます。
私としては、精神科新病院誘致の構想などは生煮えの段階での施策提案もさらに含まれてしまった4病院再編構想の議論の進め方に強い懸念を抱いております。
縷々述べましたが以上のことを踏まえ、「県民への丁寧な情報提供と4病院構想の抜本的見直し」が必要であると考えます。